脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

病は気から、治すも気から

病は気から、治すも気から

先日、関東地区メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会が行われ、参加してきました。

この研究会に、私の友人、A.Eさん35歳、男性が参加されました。彼は関西の大学野球部で活躍されたスポーツマンであり、以前より、東海大学高妻容一教授のスポーツ心理学におけるメンタル・トレーニングの勉強を続けている経歴を持ちます。

そのA.Eさん、昨年、大病を宣告されました。告知当初は、非常に落ち込み、弱気な発言も続きました。人として当然の反応と思います。

しかし、そこからメンタル・トレーニングで鍛えたメンタルの強靭さが彼を支えました。

治療に専念すべきと、気持ちを切り替えたとたんに、「驚異的な回復をしてやる!」という大きな目標を掲げ、化学療法、手術を無事に乗り越え、最近では元気な姿を見せてくれています。

A.Eさんの手術は大手術でしたが、手術後1ヶ月で退院という、医療スタッフの皆が驚く、驚異的な回復を成し遂げました。

研究会の後の懇親会、「まだまだ体力がない!」と言いながらも、元気にお好み焼きを頬張る姿に、体力以外の精神力の偉大さを垣間見た想いでした。


一方で、私の家族の一人が脳脊髄液減少症を患いました。
症状が出現後、すぐに診断、ブラッドパッチを行いました。しかし、そこからの回復が非常に芳しくありません。

もともと、マイナス思考が強い人間だったのですが、治療後はさらにマイナス感を強めました。

不安を日に日に強くし、全身状態も悪化しました。メンタル強化の考えも、ほとんど無効でした。

結局、精神神経科受診を勧め、「不安神経症」の診断を得ました。

当初、当人は「体調悪化の原因が自分の過度の不安感から来る」という事を、なかなか理解、もしくは受け入れるのが困難でした。しかし今では、体調悪化の原因が自分の過度の不安感から来るという事を理解できて、精神神経科治療を継続中です。幸い、諸症状は改善傾向にあります。

精神論だけでは限界はありますが、上記の2例を考えても、「治すも気から」という要素はかなり大きいと痛感しています。