病は気から、治すも気から
- 2009.01.24
- メンタルトレーニング

先日、関東地区メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会が行われ、参加してきました。
この研究会に、私の友人、A.Eさん35歳、男性が参加されました。彼は関西の大学野球部で活躍されたスポーツマンであり、以前より、東海大学高妻容一教授のスポーツ心理学におけるメンタル・トレーニングの勉強を続けている経歴を持ちます。
そのA.Eさん、昨年、大病を宣告されました。告知当初は、非常に落ち込み、弱気な発言も続きました。人として当然の反応と思います。
しかし、そこからメンタル・トレーニングで鍛えたメンタルの強靭さが彼を支えました。
治療に専念すべきと、気持ちを切り替えたとたんに、「驚異的な回復をしてやる!」という大きな目標を掲げ、化学療法、手術を無事に乗り越え、最近では元気な姿を見せてくれています。
A.Eさんの手術は大手術でしたが、手術後1ヶ月で退院という、医療スタッフの皆が驚く、驚異的な回復を成し遂げました。
研究会の後の懇親会、「まだまだ体力がない!」と言いながらも、元気にお好み焼きを頬張る姿に、体力以外の精神力の偉大さを垣間見た想いでした。
一方で、私の家族の一人が脳脊髄液減少症を患いました。
症状が出現後、すぐに診断、ブラッドパッチを行いました。しかし、そこからの回復が非常に芳しくありません。
もともと、マイナス思考が強い人間だったのですが、治療後はさらにマイナス感を強めました。
不安を日に日に強くし、全身状態も悪化しました。メンタル強化の考えも、ほとんど無効でした。
結局、精神神経科受診を勧め、「不安神経症」の診断を得ました。
当初、当人は「体調悪化の原因が自分の過度の不安感から来る」という事を、なかなか理解、もしくは受け入れるのが困難でした。しかし今では、体調悪化の原因が自分の過度の不安感から来るという事を理解できて、精神神経科治療を継続中です。幸い、諸症状は改善傾向にあります。
精神論だけでは限界はありますが、上記の2例を考えても、「治すも気から」という要素はかなり大きいと痛感しています。
-
前の記事
家族の心のケアの重要性 2009.01.20
-
次の記事
メンタルトレーニング 2009.01.25
高橋先生、いつも診察をありがとうございます。
先月半ばに、今まで服用していた精神科のお薬をやめ、
先々週、そちらの先生の判断で、
今後は通院もしなくてよいと言われました。
一生離れられないかとすら思っていた精神科から卒業でき、
本当に信じられない想いです。
お薬をやめてから頭の中や思考がはっきりし
現実や現状が把握できるので、
今まで以上につらいことや不安が実は大きいのですが、
だからといってお薬の必要はまったく感じません。
詳しい状態については来週ご相談できればと思いますが、
やっと本来の自分らしさを取り戻せた、と思います。
小さい頃から体調は悪くとも、
お庭の草花の手入れをしたり、お菓子を焼いたり、
日常を、自分のできる範囲で楽みながら生活してきました。
読書や勉強が大好きで、大学もとても楽しく通っていました。
ただ、頭痛、めまい、吐き気…
とてもつらいのに、どのお医者さんも異常は無いと言います。
体調が悪いからテレビはあまり見ない(興味がないのですが…)、
食欲がない、学校に通えないと言うと、
それでは精神的な原因ですねと、口をそろえて言いますから、
あぁ、そういうものなのか、私は精神的に弱いのかと、
中学生の頃から刷り込みのように思いこんでいました。
それでは、「病は気から」、本当に病気になってしまいます。
大学生の時に大学病院で大鬱病と診断され、
入院中、点滴で大量の抗鬱剤を投与されました。
鬱ではないので効くはずもなく、どんどん量は増やされ、
日に日に体も動かなくなり、精神的にも極限の日々でした。
そこで耐え切れずにリストカットをしてしまった日から、
すべては狂ってしまいました。
ほとんど記憶のない私よりも、
家族の方がずっと苦しかったと思います。
私自身も、家族も、それまで私がどんな人間だったのかを
忘れてしまうほど、過酷な数年間でした。
それが、ブラッドパッチを受け、お薬をやめ、
すると少しずつ、それでもとても自然に、
お花を生けたり、趣味の手作りを再開したり、
昔から興味を持っていたものに興味を抱けるようになりました。
やっと、自分を取り戻せた気がします。
もちろんつらいことは山ほどありますし、
今までできていなかったことの膨大さを目の当たりにして
気が遠くなってしまいそうにもなります。
それでも、できることからやらなければ現状は変わりはしないと、
前向きさだけは失わずに頑張っています。
今まで体調が思うようにいかないせいで
諦めなければならないことが多すぎましたから、
今は多少回り道でも順序を追って、
一歩ずつ歩んでゆこうと思っています。
今でこそ、私も「驚異的な回復を!」と思えますが、
それは私の体調を理解してくれた高橋先生にめぐり会えたからこそです。
治りたい一心で行く先の、何人もの病院の先生から
「あなたは心が脆弱なのだ」
「普通の人とは違うんだ」
「一生治ることはない」
と言われ続けると、本当はそうなのではと思ってしまいます。
それでは、治るものも治りませんよね。
プラス思考になれた今、
高橋先生のおっしゃるマイナス思考の意味もよくわかります。
もう、過去はいいのです。
これから今まで身につけられなかった知識や経験・実績を
何が何でも身につけて、なりたい私を作っていきます。
Webデザインをを本格的に勉強したいので、
来週、学校の体験授業に参加してきます!!
まだまだ体調は不安定ですし、
もともと気持ちも太くはないので、
今後もつらいと感じることはたくさんあると思いますが、
体調の不安は先生に診ていただけることで安心できますから、
あとは自分が成長するだけだと思っています。
毎回山王病院の帰りは心が軽いので、
今までの病院では考えられないくらいに通院が楽しいです。
makotoです。
先ほどのコメントでうまく書けなかったのですが…
私が精神病と診断され、精神科に通っていた6年間、
家族も本当に苦しい日々だったと思います。
私自身、ずっと死に向かう毎日でしたから、
目も離せず、大変な看病だったはずです。
それでも、決して諦めず、見放すことなく見守ってくれた家族に
心から感謝しています。
先生のご家族も、とても心細く不安だと思いますし、
誰より先生も苦しんでおられるかと思いますが、
先生が居てくれることが、何よりものお薬だと思います。
苦しさのあまり家族に八つ当たりしてしまうことも
多々ありました。
それでも切れない絆は、本当に不思議ですね。
それでは、おやすみなさい。
makoto
makoto様
コメントありがとうございます。
makoto様、大変な苦労をされてきましたが、それを克服したのは、makoto様にとって、今後、大きな財産になることでしょう。また、病に悩む方々に勇気を与える経験と思いますし、実際、御家族の方々をはじめ、多くの方々に優しさを与えている姿にも表れています。
益々の御活躍をお祈り申し上げます。