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病んでも夢を持つ事は大切!

病んでも夢を持つ事は大切!

(前回ブログ「夢を持つ事の大切さ!」からの続き)

Fさんからの

「実は、到底おわかりではなかったでしょうが、私自身が悪性腫瘍を患い、現在も抗癌剤投与中の身なのです。」

との御言葉に、強烈な衝撃を受けました。

「癌は不治の病!という固定観念が、世間では抜けきらず、同僚などに、要らぬ心配をかけています。」

「癌は、不治の病ではない!などと私が言うと、よけい心配をさせますし…。病気そのものがつらい、というより、病を得て、そういう人間関係になってしまうことがつらいです。」

「もちろん、病気にくじけるつもりなど全くなく、元気にやっているのですが、そのことが、かえって周囲に心配をかけてしまうところが、またつらい…」

「コンプレックス」の概念を明らかにしたA・アドラーはご存じだと思いますが、彼が

「人間の悩みは、全て人間関係の悩みである」

と言っていますね。本当に、その通りだと思います。病気に悩んでいるように見えても、実は、その病気を得たことによって生じる様々な軋轢に悩むわけですから…。」

また、A・アドラーは

「劣等感こそ、人間が進歩しようとする根源である。」

というような論旨を述べていました。

それならば、健常者より、病人が一番伸びようとしているのではないか!…とも思います。 」

と、気さくに話されました。

以前、脳腫瘍を患いながらも、Fさんと同様な事を話され、三十数年の短い人生を笑いながらおくられた男性を思い出し、強烈なストレートパンチを喰らった想いでした。

闘病とは、大変な事と思います。

また闘病中や、体調不良の方々に接した場合、理解・共感する事は大切と思います。

しかし、いつまでも哀れでいなくてはいけないかというと、それは違うと思います。

Fさんと接し、抗癌剤投与中でありながら、前進されているのは、Fさん御自身が夢・希望をもたれているからではないでしょうか?

夢・希望を持ち続け、少しずつでも向上し、充実した時間を送られる事が非常に大切と再認識した想いです。

Fさん、貴重な御話を賜り、心より御礼申し上げます。今後の経過が順調である事を心よりお祈り申し上げます。