家族の協力
- 2009.04.29
- メンタルトレーニング 脳脊髄液減少症
著書、「病に打ち克つメンタル強化法」に対し、多くの方々から感想、御批判を賜りました。ここに改めて御礼申し上げます。
その中で、大病を患われたある男性から、非常に長文の御感想を頂きました。 以下、一部抜粋させて頂きます。
「家族や周囲の協力がなければ、社会復帰は非常に困難であった…」 (著書106ページ)
不覚にも、読みながら待合室の長いすで涙してしまいました。
まったくその通りです。 私が病を得て、一番つらかったこと、不安に思ったことは、治療の痛さでも、入院の長さでもなく、「周囲から、頼られなくなってしまうこと」でした。
職場は、他の方が私の代わりをするのは仕方がないとしても、特に、家族の中で、私が事実上の「亡き者」になってしまうのではないか、という不安がよぎりました。
公立の病院だったので、いろいろな境遇の方が同室に入院されていました。幸い、私は見舞客が絶えず訪問してくれて、「見舞いの順番札」を出したほどです。本当です。
他の患者さんから「見舞客を分けてくれ」などと冗談も言われました。となりのベッドに、病気で失明された方が入院されたのですが、その方は、目が不自由で気の毒というより、見舞客が全くみえず、ご家族とお会いしたのは、入院と退院の時だけでした。もちろん、完全看護ですから、それでも身辺整理などの用は足ります。
しかし… 私が入院した二回は、ともに、二人の子どもたちの受験の年でした。家内は、仕事と家庭の両立で大変だったと思いますが、愚痴一つこぼさず、毎日、病室に来てくれました。
子どもたちは…思い出すと、今でも少し涙ぐみます。娘も家内も、「学校の三者面談は、お父さんとがいい!」と言って、病身の私を連れ出そうとしたのです。ちょうど、娘の三者面談の時期は、抗ガン剤投与直後だったので、私の白血球はゼロに近い状態でした。もちろん、感染の危険性があるので、外出はおろか、家族以外の面会も謝絶でした。
しかし、娘の学校にも大変ご理解を頂き、担任の先生が、「容態が安定するまで、面接は待ちましょう。」とおっしゃってくださったのです。 そして、白血球が増えてから、担当医からも時間制限付きながら、外出許可が出て、私と娘は、家内の運転で学校に出かけ、三者面談ならぬ、四者面談をしたのです。
幸い、娘の入試の結果もうまくいきました。 「家族や周囲の協力」とは、患者を「みそっかす」的によそよそしく扱うことではないと思います。例え患者であって、完治はしていなくても、家族や組織の中で自分の役割が与えられていること、そういう、「所属感」が、患者の自立をより促進するのだと思います。
私たち家族は、私が入院する前は、それぞれ一人一人が、単独で勝手に行動していました。…少なくとも、今では、当時をそう思っています。
私の退院後、家族が以前にも増して、何でも話し合い、特に私たち夫婦は、どこに行くのにも一緒に出かけるようになったことは、言うまでもありません。 これが、病気を得たことによる、文字通り、「不幸中の幸い」なのかもしれません。
闘病中の貴重な御経験と、御感想を賜り、誠にありがとうございます。
医療現場では、病人がでると、「家族の絆」が深まる方々と、「家族の溝」が深まる方々がいます。
健康な方々の家族であっても、離婚など別れはありますので、家族の問題は一元的に語れる簡単な問題ではありません。
また、看病は時に非常に大変です。看病疲れで、ダウンされる方もいます。
しかし、やはり家族の協力は大切です。特に、病を患われた時には、尚更と思います。これは、子どもだけでなく、大人もです。
今回、御感想を頂いた男性は、一家の主であり、病を患われた現実に接した時の心中は察する事ができません。今、元気に活躍されているのは、御家族の協力が、非常に心強いものであったからと推察します。
我々は現実の世界に生きているため、嫌な事、辛い事などは避けて通れない部分があります。が、「家族」という絆に関しては、理想論を追及したくなります。
高橋浩一 先生
先生の御著書には、医師としての立場からだけでなく、患者の体験談などもたくさん出ているのですね。もちろん、その病気については、家族は言うに及ばす、病気を患った本人が最も混乱するでしょうし、大病なら、Dr.ご自身も、そのご病気を患われた方は少ないでしょう。ですから、「だれも、本当のところはわからない。」というのが真実なのではないでしょうか?
動物でも、自分の痛みを感じることはできます。しかし、人間には、「人の痛みを分かち合う。」という素晴らしい能力が備わっているのです。「共感」というふうに使えば、嬉しいことを分かち合うときにも使います。
先日、夜なべをしたら寝付けなくなり、深夜番組を見ていたら、NHKの「プロフェショナル」という番組に、落語家の柳家小三治師匠が出ていらっしゃいました。師匠は、真夏でも長袖の下着やマフラーが手放せないほどの重いリュウマチを患い、一時、高座からも退いていらっしゃいましたが、現在は、病身をおしながら、大看板を立派に担っていらっしゃいます。
小三治師匠が、「病気をしてみて、改めて、家族や周囲の協力というものがよくわかった。」とおっしゃっていました。この言葉には、非常に重みがありました。
芸風も、以前の、どこか高飛車なところは影を潜め、穏やかな語り口で、観客を包み込む感じでした。
病気をすると、心が優しくなるのかもしれませんね。それは、家族を含めた周囲の協力が「病」だけでなく、「気」も癒すせいなのかもしれません。
また、小三治師匠は、「人間はどうして笑うのですか?」という問いに、しばらく考えてから、「人間は、笑っている自分、が好きだからじゃないですかね。」と二度、重ねておっしゃっていました。
高橋先生は、御著書で「笑い」について述べていらっしゃいますが、自分を好きになる→相手のことも好きになる→相手も自分のことを好きになつてくれる…自分をますます好きになる…こういうプラスのスパイラルが起きるからこそ、「家族の協力」は大切なのですよね。
その反対の例もある、高橋先生が述べておられますが、そういうケースは残念なことです。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
私自身、大病を患った事がありませんが、大病を患った方々は何人も見てきました。
その度に、家族の協力は大切と思っています。小三治師匠の言葉も、重みを持って伝わってきます。
それから御指摘の 自分を好きになる→相手のことも好きになる→相手も自分のことを好きになつてくれる…自分をますます好きになる
というスパイラル、素晴らしいと思いました。意識して実践してみようと思います。
身体の水分量についてお聞きしたいです。
体組成計に体水分率とあります。
私の場合、いつ測っても、体水分率46%
くらいです。
鼻に少し汗をかいたくらいでも、すぐ具合が悪くなり、脱水症状のようになります。
ブラッドパッチ1回目を、1ヶ月前にしました。
ブラッドパッチ前も体水分率は同じ位でした。
やはり2回、3回のブラッドパッチをすると体水分率も上がってくるのでしょうか
明日元気にな〜れ!様
コメントありがとうございます。
髄液と水代謝に関しては、何かしらの関係があると思うのですが、私の知る限り、よくわかっておりません。
ご回復をお祈り申し上げます。