逆境をプラスに!
- 2011.04.24
- メンタルトレーニング
先日の関東地区メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会
片腕の剣士、T氏の事が紹介されました。
幼い頃の事故で、右腕を失い、左手だけで剣道に励まれました。
高校時代までは、片手でも強くなってやる!と、徹底的に左手を鍛え、実力を確実につけていきました。
しかし大学に進んで剣道をした時には、相手との実力の差が歴然としており、片腕の剣道は全く通用しませんでした。
それまで「片腕でもできる!」と信じて頑張りましたが、大きな壁にぶち当たり、しばらく乗り越える事ができませんでした。
思い悩んでいたある日、「片腕でもできる」という考えは、自分の剣道に対する視野を狭めているのではと考えるようになりました。
そして、「片腕の弱点を長所に変えられないか?」「片腕だからこそ、できる事はないか?」と考え、試行錯誤を繰り返し、竹刀の長さを自在に変化させる技を見出しました。
その技を磨く事により、実力をさらに高め、ついに日本選手権に出場するまでになりました。
その日本選手権での試合では、身長差20cm、体重差50kgの強豪と闘う事になりました。
しかし互いに両者譲らず、延長戦に突入、しかも延長戦を40分以上に及び、T氏の握力は限界に達しました。そして竹刀を落として、「竹刀落し」の反則を取られます。
あとのなくなったT氏、とっさに竹刀を短く持ち直し、相手のふところに飛び込み、見事に胴を決めました。
逆転勝利に、「片腕だからこそ、ここまでできた!」とのコメント、逆境をプラスに変える強い気持ちが伝わります。
不屈のT氏には「根性がある!」と言って、異論を挿む人はいないと思います。
世の中には、様々なハンディキャップを抱えている方々がいます。
その方々の多くは、決して好んでハンディキャップを抱えた訳ではありません。
またハンディキャップとは、通常、大変なものです。
しかし現実を認識し、試行錯誤を繰り返し、楽しむ心を持って、向上していく姿勢は大切です。
T氏は
「努力という言葉は好きでない。けれど強くなりたい!」
と述べられています。
T氏の練習量は、想像を絶します。私にとっては、物凄い努力!と感じます。
しかしT氏にとっては、強くなりたい一心でされた事、高妻先生の指摘される、楽しむ心≒根性をもって、頑張られたのではと推察します。
ちなみに私は、「努力」という言葉は好きです!
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高橋浩一 先生
T氏は、愚息の一個上です。しかも愚息と同じ剣道をやっていらっしゃるので、高校に入る前から、お名前ばかりでなく、ご活躍も存じております。
T氏がこれほどまでに活躍された陰には、「剣友の存在」が大きいと思います。
T高校でも、O大学でも「切磋琢磨」の末、その地位を築かれました。
「根性」や「努力」が「楽しむ心」につながっていくためには、「滅私奉公的な苦しさ」ではなく、「他者からの承認」や「自己有用感」から来る「ポジティブな心理」が不可欠なのではないかと思います。
そのような方が、私と同業に就かれたことに、喜びを感じています。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
そうでしたか!片腕で全国レベルの活躍をされていたのですから、当然ですね!
活躍には、特別扱いせず、お互いに全力で切磋琢磨された剣友の存在は大きかったと思います。
現在、あきちゃんで~す様と同業との事、あきちゃんで~す様のように、素敵で皆に夢を与える方なのでしょう!