脳脊髄液減少症の温故知新
第17回日本脳脊髄液減少症研究会
埼玉医科大学神経内科 田村直俊教授より
「脳脊髄液減少症の温故知新 Scaltenbrandの業績を中心に」
という、非常に興味深いご講演を頂きました。
Scaltenbrandは、第17回日本脳脊髄液減少症研究会のポスターに掲載されている写真の偉大な先生です。
Scaltenbrandは、1938年に髄液漏出を伴わない特発性髄液減少症を報告し、その原因は、自律神経機能異常による髄液産生低下であると主張されました。
この説は、すべての脳脊髄液減少症病態に対して、当てはまるのではないと思いますが、近年、交感神経刺激で髄液産生が減少することが指摘されています。
交感神経機能亢進を示す体位性頻脈症候群と脳脊髄液減少症が同一個体に共存する症例の存在は、髄液減少の代償性に生じるはずの髄液産生が十分に起きていない可能性があります。
この病態は、Scaltenbrandの見解に従っていると考えて良いでしょう。
今から80年も前に、このような考えを発表されたScaltenbrand先生、偉大過ぎると感じさせて頂いた講演でした。
高橋浩一 先生
篠永先生が、学会で初めて発表されてからでも、そろそろ20年ではないですか?
あの脚気論争でも、ビタミン欠乏説が定着するまでに数十年かかってます。科学の進歩は往時とは比較になりませんが、脳脊髄液減少症の認知に、科学的要素以外の何かが関わっているとすれば、誠に残念です。
高橋浩一 先生
脳神経外科でご同業の、酒向正春先生のことは、学会等でご存知かもしれません。
このたび、「患者の心がけ 早く治る人は何が違う?」 (光文社新書)を上梓なさいました。NHKなどでも取り上げられました。
わたくしもこれから読ませていただきますが、本ブログに関心をお持ちの方なら、興味あるテーマかと思い紹介させていただきました。ご参考まで。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
>篠永先生が、学会で初めて発表されてからでも、そろそろ20年ではないですか?
篠永先生から、学会で発表すらもできなかった当時の話を良く伺います。その頃からすれば、各段の進歩になります。
まだまだ認知度が高くない事をはじめ、問題が多いですが、頑張っていこうと思います。
酒向先生の著書の情報もありがとうございました。
私が髄液漏れが原因と思われる症状を
かかりつけの内科のお医者さまに相談したのは
今から45年前でした。
その時のお医者さまの大変に困惑した表情を見て
「こういう事を言ってはいけないのだ」と
全てを封印しました。
精神薬を処方されなくて良かったとは思いますが……
Scaltenbrand先生ならなんて仰ったかと、お目にかかりたかったです……患者の温故知新、失礼しました。
はな様
コメントありがとうございます。
篠永先生が学会発表される前からの貴重な御体験、感謝です。
Scaltenbrand先生、本当に現在の状況を見たら、何て述べられるのでしょうか?想像できません。