脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

起立性不耐症

起立性不耐症

先日、起立性不耐症医療講演会

http://eventregist.com/e/oi2018?lang=ja_JP/

が行われ、参加してきました。

講演を聴かせて頂いていると、

めまい、ふらつき、倦怠感などの不定愁訴

医療界からの理解が乏しく、しばしば「心の問題」と判断される

立位で症状が悪化し、臥位で症状改善

などなど、まるで脳脊髄液減少症についてのスライドを見ているかのようでした。

第17回 日本脳脊髄液減少症研究会会長の光藤先生が、脳脊髄液減少症と体位性頻脈症候群 POTSとの関連性について話されていましたが、起立で症状が悪化する過程には、自律神経の要因を考えなくてはいけないと思っています。

頭痛の有無や外傷の有無が、起立性不耐症と脳脊髄液減少症の大まかな鑑別と考えられているようですが、問題は、そんなに単純で簡単なものではないと思います。

講演会に参加された医師達の中に脳神経外科医師はいなくて、内科、小児科の先生が、ほとんどでした。

診療科の違いによる観点からの考えの数々、非常に勉強になりました。

ただ、起立性不耐症の中に、脳脊髄液減少症症例も存在していると考えています。

実際に私が関わらせて頂いた中に、起立性調節障害ODや体位性頻脈症候群 POTSと診断され、内科的治療効果が乏しい症例の中に脳脊髄液減少症と診断し、ブラッドパッチにて改善した症例があります。

そのような話を含めて、脳脊髄液減少症とはいかなる疾患であるかを、参加された医師の方々にお話しできる機会があったのは、非常に有益と考えています。

こういったことの積み重ねが、医療業界における脳脊髄液減少症認知度向上につながれば良いな~ と願っております。