脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

のどの奥をこする

のどの奥をこする

第15回脳脊髄液減少症研究会

慶應義塾大学病院 耳鼻咽喉科 國弘 幸伸先生より

「脳脊髄液減少症の難治例でみられる髄液鼻漏に関する一考察」

の演題で、貴重な発表を頂きました。

抄録を一部抜粋すると

「昨年,あることをきっかけとして難治性脳脊髄液減少症患者に対して上咽頭擦過治療を始めたところ,偶然,髄液鼻漏が減少または停止することを発見した.

本治療では,頭痛,後頸部痛,肩凝り,背部痛などが軽減するばかりでなく,視界も明るくなり目のぼやけも軽減することが珍しくない.

効果は一過性であることが多いが,効果は劇的である.

本治療がなぜ脳脊髄液減少症で出現するさまざまな症状に対して有効であるのかを考察すれば,脳脊髄液減少症の病態の究明につながる可能性がある.」

実際、私が治療させて頂いた数名の患者様達も、上咽頭擦過治療、簡単に言うと、のどの奥をこする事で、一時的に劇的に改善しています。

國弘先生が述べられている通り、上咽頭擦過が効果があるという事実は、脳脊髄液減少症の病態、さらには髄液の機序解明につながる可能性があり、非常に発展性のある発表と感じました。


上咽頭擦過は、耳鼻科医師による手技が必要になりますが、鼻うがいでも、一時的な効果が認められる場合があるようです。

鼻うがいは、耳鼻科医師の手技を必要とせず自宅でもできるので、現在、脳脊髄液減少症に悩まれている方は、試してみて良い方法かと思います。