軽度外傷性脳損傷における頻尿
第34回 平衡班研究会
安田泌尿器科クリニック院長 安田 耕作先生より
「軽度外傷性脳損傷における頻尿の原因? 尿流動態所見」
の演題で、貴重な御講演を頂きました。
軽度外傷性脳損傷 (mTBI: mild traumatic brain injury) とは、頭部に物理的な衝撃が加わり起こる脳損傷で、軽度なものを言います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/外傷性脳損傷/
安田先生のお話しでは、mTBIの排尿障害として
症状としては
- 排尿開始遅延が多い
- 畜尿症状が多い
尿流動態としては
- 排尿筋過反射
- 排尿筋排尿後収縮
- 括約筋無抑制弛緩
- 尿流改善の括約筋収縮
- 排尿筋内括約筋協調不全
- 腹圧不安定
といった所見が認められました。
これらの所見は、排尿筋反射異常 (神経因性膀胱) と、排尿テクニックに分けられます。
まだまだ症例の蓄積が乏しく、mTBIの排尿障害の機序やパターンに関しては不明な点が多々残されているとの事ですが、明らかに異常であるのは間違いないそうです。
mTBIの一部には脳脊髄液減少症が存在しているのではないかと思っています。
脳脊髄液減少症で、頻尿、口渇といった症状に悩まれているていたのが、ブラッドパッチにより水分摂取量が減って、頻尿も改善したという方々は決して少なくありません。
私は泌尿器科領域の知識に乏しいため理解が難しかったのですが、こういった研究が脳脊髄液減少症、髄液動態異常の病態解明につながるのではないかと非常にありがたく感じております。
それから、この平衡班研究会、今回で34回目になります。脳脊髄液減少症を考えた内容の演題を中心に勉強する場を頂ける事も、とても、とてもありがたいです。感謝、感謝です!
こういった活動で、皆様に貢献できたらと!
余談ですが、先日、大学病院に勤務する脳神経外科医師数人と髄液についてディスカッションしていて、気付いたら深夜でした。髄液の事を考えていると、つい寝不足になります!
高橋浩一 先生
関係ないかもしれませんが、生徒の校内における衝突事故、交通事故等でも、直接の接触部位でないのに、失禁がみられることがあります。
「尿と脳」興味深いです。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
脳と尿、様々なパターンがあって、複雑で、でも何かしら関係があると思っています。貴重な情報、感謝です!
低髄時代は、上半身脱水下半身むくみで、水分摂取が多く、頻尿、軟便で、BP後は下半身のむくみが取れ、上半身はうるおいが戻り、お肌ぷるぷる髪しっとりというおまけまでついて機嫌よくすごしております。退院後3週間ですが、体重が10kg近く減りました。
髄液って不思議です。神の雫なのかもしれません。
たーたん。様
コメントありがとうございます。
BPの効果があったようで、何よりです。
たーたん。様のようにむくみや頻尿が改善する症例も稀ではありません。髄液って本当に不思議です。
安田耕作先生の検査を受けて、よく似た症状を指摘された者です。
私の体感でも、気圧や体調の変化と、尿漏れ・頻尿は連動しています。
脳脊髄液減少症と軽度外傷性脳損傷を併発しているっぽいとは感じていました。
でもそんなことをうっかり伝えてしまうと、怪訝な感じで「妄想族なの?」みたいな反応をなさるかたが多くいらっしゃって、なかなか生きにくいです。
お医者さんならみんなザックリと知ってるよ!くらいに情報共有が広がってほしいなーと思います。
高橋先生は、脳の病気の患者さんへの対応でストレスフルな毎日なのかな、と心配になったりもしますが、これからもずっと情報発信を続けて頂けるとありがたいです。
文章がなんだか変ですみません。
saku様
コメントありがとうございます。
saku様のような症状の方々は少なくないので、なにかしらの機序があるはずです。このような病態の解明が進めば、苦痛が減る方々も多いのではと期待しています。