脳神経外科漢方医学会
先日、第23回日本脳神経外科漢方医学会に参加してきました。
http://www.kampo-s.jp/m_square/event/information/pdf/141108.pdf
脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチの治療有効率は部分改善を含めて75%程度であり、残存症状に対し、他の治療を要する場合が少なくありません。
消炎鎮痛剤や抗めまい薬、抗不安薬などを投与する場合が多いですが、著効を示す事が少ないのが現状です。
今回、
「脳脊髄液減少症症例に対する漢方治療 -特に利水剤 (五苓散) についてー」
の演題で発表してきました。
めまいを訴える脳脊髄液減少症症例のうち、約1/3 に症状軽減の効果がありました。この1/3の症例は貴重かと思います。
頭痛やめまいなどの症状に対し適用症状に合わせて漢方薬を投与し、症状が軽減した症例が散見されるので、今後、少しでも諸症状を緩和できる方法がないかと勉強してきました。
漢方に対しては、自分は非常に不勉強ですが、本学会にて、いかに合う薬を見つけ出すかが重要と感じました。
効果があるかないか、漢方は副作用が少ないので、いろいろ試していくのも症状軽減の方法かなとも考えています。
-
前の記事
本日発売の! 2014.11.11
-
次の記事
小児・若年者の起立性頭痛と脳脊髄液減少症 2014.11.18
高橋浩一 先生
学会発表お疲れ様でした。
日本の文化の特色は、「新しいものを取り入れたら、古いものを捨てる。」だと思います。
そうやって、国が発展してきました。
たとえば、美術界において、洋画がブームになると、有名な浮世絵の多くが欧米に流れました。
医学でも、同様に、ドイツ等の西洋医学が入ってくると、漢方は排斥さえされました。
しかし、漢方には1500年からの歴史と伝統があるのです。
「人を治そう。」という累々と重ねられてきた試みが、「絶対悪」のように取り扱われて良いわけがありません。
幸い、2001年に、日本の医学部の教育内容ガイドラインの到達目標に「和漢薬を概説できる」が加えられたそうです。
「漢方もわかる西洋医学」の姿は、実に頼もしいです。
わたくしも、常々、「芍薬甘草湯」のお世話になっております。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
西洋医学に対し、東洋医学がありますが、どちらも良い点があります。
良い所取は、他の国にない、聖徳太子の頃から日本の特色の一つかと思います。(特に宗教感において)
私は、両者の良い点を取り入れられれば良いと考えています。
漢方薬局で学んだこと
老化とは身体が乾くこと、立ち木が枯れる様に死ぬ時脳脊髄液は産生されなくなる
東洋医学には髄液が特定の場所から漏れるという概念も薬もないので、ブラッドパッチが有効。
ただし何度ブラッドパッチをしてもとまらない漏れ(イメージとしては内出血の様な感じだそうです)は漢方薬「帰脾湯」が有効。
帰脾湯は髄液を増やす効能もあります。
臓器も筋肉も脱水するので補うことによって形が元気になって整体の治療が進みやすくなる。
臓器は加齢に伴い引力に従って下がる事があり、衝撃によってずれた臓器を定位置に戻す漢方薬が臓器ごとにある。
衝撃を受けて下がった私の臓器…大脳、小脳、肺、腎臓が持ち上がった結果、潰されて固まっていたかのように動かなかった声帯が緩んだ様で声を出しやすくなった。顎も軽く動く。発声困難の原因が声帯を引っ張る程肺が下がっていた事だと判って愕然としました。
舌が伸びてきた時は驚きました。
漢方薬の基本は気・血・水のアンバランスを調える事が基本で、整うと不安は無くなります。循環に問題がなくなると悩む時間すらスイスイ流れる様になりました。
ブラッドパッチ後に東洋医学を学ぶ事が出来たのは大きな福音でした。
水分代謝を元気にするには腎臓・胃腸・肺を等しく元気にするのが良い、不登校児を診ると肝臓と胃腸の強弱のアンバランスがあるので同じにするのが良いなどと教わりました。
その症状は西洋医学東洋医学、どちらで診るのが適しているだろうと考える習慣が出来て、何十年も髄液がもれていた甲斐があったかもしれません。
はな様
コメントありがとうございます。
東洋医学も、学ぶと奥が深いですね!
今後とも御教授よろしくお願い申し上げます。
高橋浩一 先生
はな 様
>不登校児を診ると肝臓と胃腸の強弱のアンバランスがあるので同じにするのが良い
本当にそう思います。不登校の原因は違っても、皆一様に、「胃腸の不調」を訴えますから。
高橋先生へ:
脳脊髄液減少症では、胃腸の不調は伴いますか?
その辺からも、不登校と脳脊髄液減少症の児童の見分け?ができないでしょうか?
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
脳脊髄液減少症の方々で胃腸症状を訴える方はいます。特異的ではないので、不登校児と脳脊髄液減少症の児童の見分けは困難かと思いますが、そういった視点でも診ていきます。