脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

脳脊髄液減少症を疑う症状や兆候は?

脳脊髄液減少症を疑う症状や兆候は?

第42回日本小児神経外科学会

一般口演4  画像診断

演題名:
外傷により発症した学童期脳脊髄液減少症34例 ―臨床像と問題点

シンポジウム2  小児頭部外傷にかかわる諸問題

演題名:
児期に発症した脳脊髄液減少症88例におけるRI脳槽シ ンチグラフィー所見と予後

の2演題を発表してきました。

頂いた質問に対しての回答を述べさせて頂きます。

「日常臨床で脳脊髄液減少症を疑う症状や兆候は?」

立位で悪化傾向にある連日性の頭痛

諸検査で異常を認めない

運動で悪化する

筋緊張性頭痛や片頭痛、てんかん性頭痛、さらには精神疾患としての治療の効果が乏しい

気圧の変動で頭痛が悪化しやすい

「脳脊髄液減少症を疑った場合の検査での陽性率は?」

脳脊髄液減少症を強く疑った症例の検査陽性率は、結構高い

本症としては典型的でない症状、兆候がある場合は、検査陽性率が下がる

またRI脳槽シンチやCTミエロで確定診断に至らない場合は、生食パッチの効果を見るようにしている

 「以前、時間の経過により治療成績が低下してくるとの発表があったと思うのですが、発症から5年の期間で治療成績に差があったのか?」

正確に統計をとっていないので、コメントできない

ただ、ここ数年は脳脊髄液減少症の認知度が上がってきているせいか、症状が出現して、何年も経ってから受診される症例は激減している

学会会場では、以上のように答えました。御参考頂けたら幸いです。