国際頭痛学会診断基準改定版 (ICHD-3 β)
- 2013.09.10
- 学会・講演・論文
第31回平衡班研究会
国際医療福祉大学熱海病院 篠永正道教授から
「国際頭痛学会診断基準改定版 (ICHD-3 β) について」
と題して、貴重なお話しを頂きました。
2004年に発表された国際頭痛学会診断基準第2版が、約10年ぶりに改定され、先日、国際頭痛学会診断基準改定版 (ICHD-3 β)として発表されました。
第3版では、起立してからの頭痛の悪化時間を診断の条件としなかった。
また第3版は、ブラッドパッチ後に頭痛が消えるまでの期間を条件にしなかった。
といった点が、第2版と大きく異なります。そして、より多くの方々が救われる内容に改定されました。
まだ診断の精度、治療成績向上という解決すべき点が残されています。
美馬先生の白黒、はっきりつけるのでなく、グレーゾーンを設定すべきではないかとの意見や、耳鼻科の先生方々からの多くの質問も聞かれ、今回も非常に有意義な研究会でした。
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高橋浩一 先生
第31回平衡班研究会御出席お疲れさまでした。
先週、NHKの「試してガッテン」で、「めまい」についてやっていました。
ずいぶん、めまいの原因の解明なども進んでいるのですね。
ところで、ひとつ質問してよろしいでしょうか?
「国際頭痛学会診断基準」が進歩したということはわかりましたが、基準には、イニシアチブを取っている国、もしくは人物などが御有りなのでしょうか?
基準が、厚労省の研究班や、日本の各学会や保険診療適用にどのように作用しているのでしょうか?
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
御質問の件ですが、イニシアチブをとっているのは、オリジナルの論文に、世界各国からコミッティー、そしてワーキング・グループに著名な先生方が名を連ねています。
チェアマンは、デンマーク出身です。
この基準が、より良い方向に作用してくれれば良いと思います。
高橋先生
国際頭痛学会診断基準改定版について、お知らせいただきまして、ありがとうございます。
早速、手元の資料「慢性頭痛の診療ガイドライン」と照らし合わせてみました。具体的には、
>「第3版では、起立してからの頭痛の悪化時間を診断の条件としなかった」は、ICHD-IIで、「座位または立位をとると15分以内に憎悪し」の15分が削除される。
>「また第3版は、ブラッドパッチ後に頭痛が消えるまでの期間を条件にしなかった。」は、ICHD-IIで、「D.硬膜外血液パッチ後、72時間以内に頭痛が消失する」の72時間が削除される。
突発性低髄液圧性頭痛については、その他の内容は現行と同じ、という理解でよろしいのでしょうか?
Melody様
コメントありがとうございます。
御質問の件ですが、第II班では頭痛以外の症状などに言及されているなど、異なる点が少々あります。
よろしくお願い申し上げます。