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耳鳴り

耳鳴り

先日、和歌山県立医科大学などの共同研究チームが、重症の耳鳴りの原因となる脳領域を特定したと報告しました。

http://science.slashdot.jp/story/13/08/03/2042245/%E5%92%8C%E6%AD%8C%E5%B1%B1%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%8C%BB%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%80%81%E9%87%8D%E7%97%87%E3%81%AE%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8B%E8%84%B3%E9%A0%98%E5%9F%9F%E3%82%92%E7%89%B9%E5%AE%9A

この報告によると、耳鳴りの強さと関連するのは尾状核と海馬、耳鳴りの不快感と関連するのは内側前頭葉下部としています。

以下は、あくまで私見ですが、尾状核と海馬は、ともに記憶と学習に関与しています。

そして尾状核と海馬は学習した情報を、「快」と感じる場合は、ドーパミン作動性神経細胞が効率よく刺激されます。

逆に、「不快」と感じる場合は、ノルアドレナリン系、セロトニン系の神経の機能が上手く作用しません。

そして不快が持続して、脳内のノルアドレナリン、セロトニンが減少すると、うつ病になります。

また内側前頭葉についてですが、前頭葉の下部は、情動や認知などに関与していると言われています。

日常の臨床では、前頭葉の下部が障害された時に、多幸的、さらには抑制がなくなり、おめでたい感じの性格になり場合があります。

内側前頭葉下部が、不快感と関連するといった事は存じ上げていませんでしたが、あっても良い話と思います。

(もともと前頭葉は人間で最も発達しており、脳機能的研究が最も遅れている領域と言われている。)

そして同研究グループは、耳鳴りは治せなくても不快感を取り除ける可能性を指摘しています。

耳鳴り自体は、本当に不快です。

ただ、耳鳴りが脳腫瘍などの脳疾患により生じているのでなければ、いかに受け入れるか!を考えた方が良いと指摘する耳鼻科医師も少なくありません。

痛みやしびれに関しても、苦痛でしょうが、24時間のうち、ほとんど苦痛を感じていたのでは、脳内の伝達物質のバランスが崩れ、別の異常を生じ得ます。

いかに体調不良の時に、気持ちを前向きに持っていけるか!

別に24時間ずっと、前向きに保つ必要はありません。1秒でも、1分でも、何らかの形で、前向きな時間が作れると良いと思います。

時に、非常に難しい問題でテーマですが、やはり重要と再認識した報告でした。


耳鳴りは実際には音がしていないのに音が聞こえるように感じる現象。日本人の300人に1人が重症の耳鳴りに悩まされているという。これまで耳鳴りは脳の異常に原因があると考えられてきたが、具体的な脳の部位は特定されていなかったという。研究チームではMRIを使用して脳の活動を計測し、脳の各部位のつながり具合を独自に開発した手法で計算。脳全体でつながりの程度と耳鳴り症状との相関を調べたとのこと。その結果、耳鳴りの強さと関連するのは尾状核と海馬、耳鳴りの不快感と関連するのは内側前頭葉下部であることが判明したそうだ。耳鳴りと不快感に関連する部位が違うことから、耳鳴りは治せなくても不快感を取り除ける可能性があるという。今後はさらに詳しい部位の特定や治療法確立に向けて研究を進めるとのことだ。