神奈川県学校保健学会
- 2012.12.18
- 学会・講演・論文

先日、第44回神奈川県学校保健学会特別講演にて
「小児期に発症した脳脊髄液減少症」
と題して、講演させて頂きました。
貴重な機会を頂いた関係者方々、御参加頂いた方々に心より御礼申し上げます。
熱心に聴いて頂き、
「頭痛、めまいが強くて寝たきりなのに、どこの病院に行っても異常なしと診断され、どうしたらよいか分からない状態の子がいますが、もしかしたら脳脊髄液減少症の可能性は?と、診断をすすめてみようと思いました。」
「学校内で生じた頚部のケガの後、頭痛などの体調不良が続いて、人が変わったようになった生徒がいます。どうしたらよいか路頭に迷っていたので、講演を聴けて本当にありがたいです。」
など多くの御質問、御言葉を賜りました。重ねて御礼申し上げます。
また、 「起立性調節障害と診断され、内服などを受けていますが、頭痛などの症状が持続している生徒がいます。可能性はありますか?」
との御質問に対しては、
「起立性調節障害と診断されても有効な治療が施されない場合、脳脊髄液減少症の可能性があります。」
と回答させて頂きました。
さらに、
「ラグビーを週末を中心に練習している子どもですが、練習を終えた夜には、悲鳴をあげるほどの頭痛で苦しみます。練習のない日には、頭痛がありません。脳脊髄液減少症の可能性がありますか?」
との御質問には、
「脳脊髄液減少症の可能性より、その子にとって運動量が過剰と考えるべきでしょう。脳脊髄液減少症の頭痛は、ほとんど連日性です。」
と回答させて頂きました。
他にも多くの御質問、御意見を頂きました。感謝です!
この神奈川県学校保健学会、他の先生の御発表を聴かせて頂きました。
その中に、朝食や睡眠、運動が重要との意見が多く聴かれました。 私も、子どもの教育に対して、非常に同感に思っています。
一日、有意義に勉強できました。御発表頂いた先生方々、ありがとうございました。
帰路で眺めた横浜の夜景、とても綺麗でした。

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高橋浩一 先生
ご講演お疲れ様でした。ありがとうございました。
関東地方の学校で脳せき髄液減少症の認知が進んでいること、
本当に重要と思います。高橋先生のご労苦に心より感謝いたします。
NHKラジオだったか、「アメリカンフットボールの選手の頭痛がアメリカでは大きな問題になっている。」と報道していました。
日本アメリカンフットボール協会のHPにも頭痛の注意喚起が呼びかけられています。
http://americanfootball.jp/main/2011/08/post-58.html
あれだけの重装備をして、大男が全力でぶつかりあうのです。
しかも、一流選手ともなれば、子どものころから、競技を継続しています。
わたしは、すぐに「脳脊髄液減少症」のことが頭をよぎりました。
アメリカでは、日本より認知が進んでいないと以前に伺いましたが、アメリカでこそ認知されるべき疾病と考えます。
スポーツ指導者も必ず頭に入れておくべき症状だと思うので、
その方面からの認知も進むとよいと考えます。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
スポーツ外傷後の原因不明の難知性頭痛は、脳脊髄液減少症の可能性がある事、発症早期の安静+点滴が効果を示す場合がある事だけでも広まれば、かなり違うと思います。
今回、神奈川県で初めての講演、ありがたいです。
こどもの認知・・・難しいですよね・・・。大人でさえ周りに理解してもらえないのに・・・。学校の先生方も、もっと、もっと、(保健室の先生以外にも)知っていただけたらな・・・。中学校では武道が必須となり、体育の先生でもやったことがない柔道をおしえるらしいですが(聞いた話で)、脳脊の患者さんが増えなければいいなと。周知するためにも高橋先生の講演の機会が、もっともっと増えたらいいですね。そうしたら、外来の時間や先生の休日、なくなってしまいますね。(笑)
ぬまじり様
コメントありがとうございます。
教育関係者に知って頂けるのは非常に効果的と考えています。
診療以外にも、このような機会があれば頑張っていきます!
高橋浩一 先生
子供はなかなか自分の症状を正確に言葉に出来ず、誤解を生じやすいのかも知れませんね。結果、理解を得られず、余計に早期に適切な治療が必要なのにも関わらず、時間を要してしまっている現実には、もどかしさを感じます。
子を持つ1人の親として、同様な状況に陥ったら、やはり、どうして良いものか分からなくなります。少しの発熱でも子供のこととなると、敏感になってしまいますが、それも大事なことなのかなと、最近は感じるようになって来ました。
早期であれば、安静と水分補給で回復の可能性があることを、沢山の教育者ならびに親御さんたちに認知されるようになると、症状の悪化を減らすことができるようになるのではないでしょうか。
より広くの方々に本症を理解し、対応してもらえるような社会になることを心から望んでおります。
私も先生のアドバイスを受け、今、できる範囲で仕事を頑張ろうと前向きに考えることができるようになりました。
いつも、適切なお言葉を頂き、ありがとうございます。
norick様
コメントありがとうございます。
御指摘の通りです。
大人でも自分の症状を伝えるのが難しいので、なおさらです。
ある子どもは症状が上手く伝えられず、すぐに怒る、切れるといった症状だけが大人に伝わりました。
高橋浩一 先生
ぬまじり 様
今年度から、武道が中学で必修になりました。
しかし、指導者の資質が追い付いていないのが実情と思います。
保健体育の教員のなかで、武道をおもに履修した方はわずかだからです。
武道を専門とはしない先生方に対して、一週間程度の促成講習をして、初段を与え、その方々が中学生の指導に当たっているのが実態です。
私たちの市では、武道の指導に予算がつき、有段者(6段)の方が体育教員とペアで指導に当たっています。
でも、それは、めぐまれた例で、そのような予算をとれない自治体もあるかもしれません。
同様に、脳せき髄液減少症の保健適用にしても、特別支援学校への転校にしても、結局、予算がネックになっているのだと思います。
政権が代わりました。予算の執行について、本当に重要なものから優先順位を決めていただける行政を期待したいです。
あきちゃんで~す様
貴重な情報、ありがとうございます。
失礼かもしれませんが、昔の英語の先生も同様な感じでしたでしょうか?
ジャパニーズ・イングリッシュでの発音でも、得点がもらえました。
それから武道必修化に伴い知って頂きたいのは、セカンド・インパクト症候群です。
https://takahashik.com/csf/post-4261/