脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

脳脊髄液減少症の診断

脳脊髄液減少症の診断

第10回 脳脊髄液減少症研究会

診断基準に関して、山王病院 美馬達夫部長から「脳脊髄液減少症ガイドライン改定に向けての私案」の演題で発表がありました。

美馬部長が診断を進める上で重要と考えている事は

① 診断確実症例、可能性が高い症例、否定はできない症例、否定的な症例、の4つの段階に診断の確実性を振り分ける

② 症状として頭痛を重視し、付随的な症状に振り回されない

③ RI脳槽シンチのRI残存率を診断基準の中心にする

④ 腰椎穿刺後頭痛の存在

⑤ 生食パッチの効果

です。

豊富な経験から出た私案で、厚生労働省脳脊髄液減少症の診断・治療法に関する研究班が発表した「脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準で不十分な点を補う内容と感じました。

特にRI残存率評価、生食パッチの効果は脳脊髄液減少症診断上、必須と考えています。

また確実性の振り分け、頭痛などの痛みを重視するといった事も診断を進める上で重要と思っていました。

現存のガイドラインは大雑把にいうと、過大評価気味になるか、過小評価的になるかです。

的確な診断基準研究のため、さらに勉強していきます。