抄録
- 2012.01.28
- 学会・講演・論文

背景:
脳脊髄液減少症は徐々に認知されているものの、小児症例に言及した報告は少ない。今回、我々は小児期、学童期に発症した脳脊髄液減少症50例について、予後、臨床像について検討した。
方法:
対象は15歳以下に脳脊髄液減少症を発症した50例(男性25例、女性25例)である。診断は、臨床症状、MRI、RI脳槽シンチにて行った。治療は、これら50例全例にブラッドパッチを施行した。
結果:
症状としては難知性の頭痛、頚部通、めまい、倦怠感、耳鳴り、視覚異常などで、これら症状は従来の治療法では効果が乏しい。
頭部MRIでは28例 (56.0%) が異常所見を示さなかった。
RI脳槽シンチでは、16例 (32.0%) に髄液漏出像を認め、他の34例 (68.0%) は、膀胱内早期集積にて診断した。
約90%の症例がブラッドパッチにて症状が軽快した。特に発症から治療までの期間が1年以内の症例では96.0%が改善、もしくは部分改善を示した。
結論:
脳脊髄液減少症、特に小児期、学童期発症例の認知度は低い。
自律神経失調、起立性調節障害、バレリュー症候群、うつ病などと診断されている児童も存在する。
今回の検討では、若年発症の脳脊髄液減少症症例に対してブラッドパッチの有効性が示唆された。
難知性の起立性頭痛などに苦しんでいる児童がいた場合、脳脊髄液減少症の可能性を考慮すべきである。
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高橋浩一先生
このたびの英文論文の雑誌掲載、本当におめでとうございます!
私も、我がことのように嬉しく思います。
この論文が、世界でより多くの医療者に読まれて
そして小児患者がさらに救済される環境が整うことを
願わずにはいられません。
毎度のことですが、前の記事(英文のページ)とこの記事を
Twitterで紹介させていただきました。
私のフォロワーさんには医療関係の方々もいらっしゃるので
この論文が浸透する一助になれば、と考えています。
高橋先生!これからも頑張ってください!
そして、いつも有難うございます!
へびくま様
コメントありがとうございます。
日本以外でも、この病気に苦しんでいる方が間違いなくいます。海外では、日本よりさらに認知が低いので、診断に至らずに苦しまれている方々がいます。
そういった方々のお役にも立てれば幸いと思います。
高橋先生
いつもありがとうございます。
私ができることは 周囲への周知活動や、行政や教育現場への働きかけです。
でも 先生の論文に対する情熱や前向きな姿勢から 医師への周知も少しずつですが 行っていこうという勇気をいただきました。
今回の論文を これから先、出会う医師へ 先生の情熱とともに送り届けたいと思います。
モモ様
コメントありがとうございます。
周知活動など、本当にありがとうございます。
この論文に対する理解を示してくださる方々が一人でも多くなれば、幸いと感じております。
高橋先生!
いつもお世話になっています。
患者を常に想い話しをゆっくりと聴いてくださり、患者の状態に合った医療を的確に行って頂き,親子共々、いつも感謝しています。
いつも忙しく働いている高橋先生を診ていると、どこにそのようなpowerがあるのだろうと不思議に思ってしまいます。
今回、さらに世界に向けた情報発信となる論文の完成、おめでとうございます&お疲れ様でした。
苦しんでいる子供達が少しでも多く救われる事を心より願っています。
また。
まだまだ、寒い日々が続きますので、ご自愛下さいね☆
あんず
あんず姫様
コメントありがとうございます。
皆様が元気になって頂くと、パワーをもらえます!
一緒に頑張っていきましょう!