脳脊髄液減少症勉強会
- 2011.12.26
- 学会・講演・論文

先日、都内で脳脊髄液減少症研究会が行われました。
国際医療福祉大学熱海病院 篠永正道教授、山王病院 美馬達夫部長をはじめ、慶応大学耳鼻咽喉科、眼科の先生方、臨床心理士、医学生の方などが参加されました。
脳脊髄液減少症の中でも、目や耳の症状を合併する事が少なくありません。
実際の症例を元に、熱いディスカッションが交わされました。
最近になって分かってきた事もありますが、今後の課題もあります。
とにかく非常に充実した勉強会であったと思います。
脳脊髄液減少症の認知度は皆様の御尽力で確実に上がっています。
私共医療従事者は、脳脊髄液減少症の認知度に加え、治療成績向上のため、これからも勉強を進めていきます。
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高橋浩一先生
研究会の出席、お疲れ様でした。
その研究会の中で、『耳鼻咽喉科の先生方が出席』された事と、『脳髄液減少症の中でも、耳の症状を合併する事が少なくない』事が気になりました。
…と言うのも私が体調を崩す時は必ずと言って良いほど最初に受診するのが耳鼻科の事が多いからです。
数年前から、毎日のように耳がムズムズするような感じがして母に耳掃除をしてもらっていました。「何だか水分?のようなものが流れ出して、それが乾いて、耳垢のように耳に付いている」と言われます。「3・4才の時、浸出性中耳炎でずっと耳鼻科に通っていた」そうです。2年前に慢性副鼻腔炎の手術も受けました。
「鼻から髄液が漏れる」という事を美馬先生が話していましたが、耳からも髄液が漏れる事はあるのでしょうか?
ゆみぷー様
コメントありがとうございます。
御質問の件ですが、髄液耳漏はあります。有名なのは外傷による頭蓋骨骨折で生じます。
通常、保存的経過観察で軽快します。髄液鼻漏より治りやすいです。
高橋浩一 先生
ゆみぷー様の耳鼻咽喉科のお話、ごもっともです。
体調が悪いという感覚を鼻、喉、耳、目などの先端器官?から感じるのは、誰しも同じではないでしょうか?
そういう意味で、耳鼻咽喉科のDrが本症を熟知していただくことは、必ず 脳神経外科への道を繋げる「総合医」的な役割を果たしてくださると思います。
私は、臨床心理士の方々のご参加を頼もしく思います。
臨床心理士の方々は、その職務の性質上、複数の職場を掛け持っていらっしゃる場合が多いからです。
本症は、脳神経外科関連の症状という「理科的な問題」のほかに、それに付随する様々な、「社会科的な問題」が未解決のままです。
そういった患者様の心理的負担を軽減することは、本症にとって急務であり、そのために、臨床心理士の方々の役割がとても大きいと思います。
スクールカウンセラーと職場のカウンセラーを兼務されているような方だったら、本当にいろいろな問題に包括的にアドバイスもくださるようになるでしょう。
高橋先生、周知活動ありがとうございます。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
目や耳などの感覚器は、鋭敏であるがゆえに、今存在する画像検査で描出できないような、細かな事にも反応します。
なんだか変だと感じても、医学的な検査で異常を示さない事は良く遭遇します。
その際に、同じ事柄を説明したとしても、心のケアができるか否かで、患者様の気持ちも変わってくると思います。その意味でも、臨床心理士など様々な分野の方々に参加頂けた事は重要と感じています。