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体位性頻脈症候群

体位性頻脈症候群

第9回脳脊髄液減少症研究会

脳脊髄液減少症でブラッドパッチ後も頭痛が遷延した症例に、体位性頻脈症候群を合併する事があるという発表がありました。

体位性頻脈症候群とは、起立負荷で脈拍が増加する病態です。

提示頂いた症例は、すべて、長期臥床状態でした。そして、痛みによる長期臥床の結果、体位性頻脈症候群を呈した可能性について述べられました。

体位性頻脈症候群には、片頭痛様の頭痛や筋膜痛、疼痛を伴う事があります。

そのため体位性頻脈症候群を合併した場合、脳脊髄液減少症の症状とは別に、頭痛などを伴う可能性を指摘されました。

体位性頻脈症候群の治療は、一にティルト・トレーニングといい、立位に慣らし、コンディションを整える方法が挙げられます。

脳脊髄液減少症で痛みが強くとも、起きる時間を増やしていく方が良いという意見は、以前より、篠永教授をはじめ、複数の医師が述べられていましたが、こういった、体位性頻脈症候群の要因の改善も兼ねていたのかもしれません。

 体位性頻脈症候群の薬剤治療としては補中益気湯(41番)、インデラル、フロリネフ(低カリウムの時は慎重投与)が有効の場合があります。

症状が遷延している場合、体位性頻脈症候群の合併も考慮して良いかもしれません。