体位性頻脈症候群
- 2011.03.06
- 学会・講演・論文
第9回脳脊髄液減少症研究会
脳脊髄液減少症でブラッドパッチ後も頭痛が遷延した症例に、体位性頻脈症候群を合併する事があるという発表がありました。
体位性頻脈症候群とは、起立負荷で脈拍が増加する病態です。
提示頂いた症例は、すべて、長期臥床状態でした。そして、痛みによる長期臥床の結果、体位性頻脈症候群を呈した可能性について述べられました。
体位性頻脈症候群には、片頭痛様の頭痛や筋膜痛、疼痛を伴う事があります。
そのため体位性頻脈症候群を合併した場合、脳脊髄液減少症の症状とは別に、頭痛などを伴う可能性を指摘されました。
体位性頻脈症候群の治療は、一にティルト・トレーニングといい、立位に慣らし、コンディションを整える方法が挙げられます。
脳脊髄液減少症で痛みが強くとも、起きる時間を増やしていく方が良いという意見は、以前より、篠永教授をはじめ、複数の医師が述べられていましたが、こういった、体位性頻脈症候群の要因の改善も兼ねていたのかもしれません。
体位性頻脈症候群の薬剤治療としては補中益気湯(41番)、インデラル、フロリネフ(低カリウムの時は慎重投与)が有効の場合があります。
症状が遷延している場合、体位性頻脈症候群の合併も考慮して良いかもしれません。
高橋浩一 先生
「ティルト・トレーニング」は、初めての言葉ではなかったです。
以前に、起立性調節障害と診断された児童の、校内でも実施できる訓練として伺っていたからです。
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_inoue_d.pdf
神経系・循環器系の疾患の場合は、汎用されている治療なのですか?
脳脊髄液減少症が起立性調節障害と診断されることがあるそうですが、治療は似ているところもあるのですね。
いずれにしても、「寝たきり」がかえって体にダメージを与えることは、経験者として語れます。笑
足かけ四ヶ月入院して、退院してみると、「座っている」だけでも結構疲れます。
長期入院患者のリハビリが、まずは体を起こすことから始まっている意味が、よくわかります。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
あきちゃんで~す様、御自身の経験を通じて、寝たきり状態の影響を伝えて頂き、ありがとうございます。
手術後の管理にしても、数十年前の安静第一という考え方から、二三十年程前から早期離床が主流になってきています。
高橋先生、早速のアップありがとうございます。
まず・・高橋先生の記事と、あきちゃんで~す様の記事を印刷して、勉強します・・。
申し訳ございません。私・・そこからなのです・・。
ただ、父が入退院を繰り返していたこともあり、手術後のリハビリは結構早めにおこなっていました。
そうでないと硬くなって動きにくくなってしまうからです。(記事にあっているでしょうか?)
もし、何か勘違いなことを書いていましたら申し訳ございません・・。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
わこみ様
コメントありがとうございます。
手術後の早期リハビリも、早期離床の一つです。
御父様の御回復を心よりお祈り申し上げます。
高橋 浩一 先生
わこみ 様
退院したら、職場復帰しなければならないことは決まっていましたから、治療と睡眠の時間以外は、なるべくベットに寝付かないで、ベッドから離れるようにしていました。
それでも、最初は、同じフロアの談話室に行くのが結構おっくうでしたし、今でも、校舎の1階から4階まで上がるだけで、ごく軽くではありますが、筋肉痛の症状が出ます。
ですから、わこみさまのおっしゃっていることは、ぜんぜん間違っていないと思います。
ティルト・トレーニングの質や量については、当然、その方の病状によって違ってくるとおもうので、医師や療法士の指示の下に行うのがいいと思います。
英語のサイトには、方法が出ているものもたくさんありました。
http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%81%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%80%80%E6%96%B9%E6%B3%95&hl=ja&sa=N&rlz=1T4RNTN_jaJP375JP376&prmd=ivns&tbs=clir:1,clira:c,clirtl:en
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
貴重な御経験、それから情報を提供頂き、重ねて御礼申し上げます。
脳も筋肉も使う方が良い!という事だと思います。