脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

小児期に発症した重症脳脊髄液減少症

小児期に発症した重症脳脊髄液減少症

第18回 日本脳脊髄液減少症研究会

http://atami.iuhw.ac.jp/sinonaga/data/nouevent2018.pdf

「小児期に発症した重症脳脊髄液減少症の3例」の演題で発表させて頂きました。
発表の要旨です。


ほんのわずかの頭部挙上もできない重症脳脊髄液減少症は、当院では、15歳以下発症症例の約1%です。
ブラッドパッチの効果に関しては、即効性に乏しいものの、全例が発症1年後には就学可能な状態に改善しています。

症状が重篤であっても改善する可能性が十分にあることを説明し、徐々に時間をかけて、リハビリテーションなどを行い、日常生活活動度合を拡大させていくことが重要と思われます。

また発症当初は、全例が心因性や起立調節障害と診断されており、脳脊髄液減少症の認知はいまだに十分でないと考えられます。

全く頭部を挙上できないような症例に遭遇した場合、脳脊髄液減少症の可能性を考慮し、速やかに対応すべきと考えるべきでしょう。 

まとめとして、重症脳脊髄液減少症に対してブラッドパッチが有効です。

ただし、回復には時間がかかるため、焦らずにリハビリテーションなど加療を行うことが大切です。 

頭痛のために起き上がれない日が長く続くと、将来の不安、焦りなどなど精神的に参ってしまいがちです。そこを何とかメンタルを切らさずに、コツコツと小さなことを積み重ねて行くことが大切です。

対象の症例の彼、彼女。
家族や周囲の協力を得ながら、頑張ってくれています。

現在、脳脊髄液減少症と闘病中の方々も、以下の慢性疼痛を克服する要因などを参考に回復して頂けたらと思います。