脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

髄液減少症に伴う疾患について

髄液減少症に伴う疾患について

先日、第271回埼玉脳神経外科懇話会にて

「髄液減少症に伴う疾患について」の演題で発表させて頂きました。

以下抄録です。少しでも認知度向上につながればありがたいです!

【目的】髄液が減少する病態(髄液減少症)では、多彩な症状を呈する症例が多いのみならず、慢性硬膜下血種を合併することが知られている。他にも脳静脈洞血栓症、脳表ヘモジデリン沈着症、体位性頻拍症候群症などが髄液減少症に伴う疾患として報告されている。今回、これらの症例を提示し、ブラッドパッチの効果を報告する。

【考案】髄液減少症は、びまん性硬膜肥厚像などの画像的特徴が報告されていが、本症の認知度は低いのが現状である。しかし、髄液減少症は、時に重篤な病態を合併することがあるため、看過できない疾患である。合併疾患に関してもブラッドパッチが有効である。秋葉病院では、髄液減少症治療を積極的に行っているので、今後も先生方々のご尽力を賜り、診断、治療成績向上につなげていきたい。

【結論】髄液減少症は慢性硬膜下血腫など他病態を生じることがあるが、ブラッドパッチが有効であるため、本症の認知度向上が望まれる。