小児期・学童期の頭痛と脳脊髄液減少症
- 2023.07.04
- 学会・講演・論文

【目的】小児期、学童期に発症した脳脊髄液減少症について、臨床像、予後を中心に検討した。
【対象と方法】2019年1月以降に脳脊髄液減少症と診断した20歳未満の158例(男性71例、女性87例)において、体位性頻拍症候群postural tachycardia syndrome: POTS、起立性調節障害orthostatic dysregulation: ODの関与について考察した。また予後に関して、15歳以下発症で5年以内にブラッドパッチを施行した195例(男性99例、女性96例)について検討した。
【結果】対象症例中、ODと診断された症例は26例 (16.5%) 、POTS合併は35例 (22.2%)存在した。治療効果に関して、ブラッドパッチ前は、104例(53.4%)が通学不能で、うち52例(26.7%)は、ほとんど寝たきり状態であった。これがブラッドパッチ施行後には、症状消失74例(37.9%)を含む178例(91.3%)が、就学可能な状態に改善した。
【考案】脳脊髄液減少症は、起立性頭痛が代表的な症状であるが、朝が弱い、倦怠感などの症状を呈する症例も少なく、半数は不登校である。心身症や、OD、POTSと判断されている症例も多い。本検討では、脳脊髄液減少症症例のうち、OD、POTSが約40%存在し、ブラッドパッチの有効率は9割以上であった。ODやPOTS、心身症などと診断されていても、難治性の不定愁訴症例では、脳脊髄液減少症の可能性を考慮すべきである。
【結論】学童期発症の脳脊髄液減少症に対し、ブラッドパッチは有効な治療法であり、認知度向上が望まれる。
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