小児期の頭痛と脳脊髄液漏出症
- 2024.10.30
- 学会・講演・論文
日本心身医学会の学会誌、「心身医学」に
シンポジウム 「その朝起き不良,頭痛は本当に起立性調整障害?
~起立性調整障害の診断で留意すべき疾患,病態に関して~」
「小児期・学童期の頭痛と脳脊髄液漏出症」
が掲載されました。
https://shinshin-igaku.com/intro/jpm/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/64/5/64_64.5_436/_pdf/-char/ja
小児期・学童期発症の頭痛診療につながり、脳脊髄液漏出症・脳脊髄液減少症の認知度が上がることを望みます。
このような機会を頂いた関係者方々に感謝です!
抄録は以下の通りです。
小児期・学童期の頭痛と脳脊髄液漏出症の関連性については不明な点が多く,認知度も低い.今回,学童期に発症した脳脊髄液漏出症において臨床像を検討し,治療予後および,体位性頻拍症候群(postural tachycardia syndrome:POTS),起立性調節障害(orthostatic dysregulation:OD)の関与について考察した.治療予後に関して,ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入)施行前は,54.7%の症例が通学不能で,うち25.9%は,ほとんど寝たきり状態であった.これがブラッドパッチ施行後には,症状消失37.3%を含む89.7%が,就学可能な状態に改善した.また対象症例中,ODと診断された症例は16.5%,POTS合併は22.2%存在した.脳脊髄液漏出症は,起立性頭痛が代表的な症状であるが,朝が弱い,倦怠感などの症状を呈する症例も少なくなく,半数は不登校である.本検討では,脳脊髄液漏出症症例のうち,OD,POTSが約40%存在し,ブラッドパッチの有効率は9割以上であった.ODやPOTS,心身症などと診断されていても,難治性の不定愁訴症例では,脳脊髄液漏出症の可能性を考慮すべきである.
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