脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

事故と頚椎損傷

事故と頚椎損傷

脳脊髄液漏出症学会2025

https://www.narunia.co.jp/csfl2025/

滋賀医科大学、法医学一杉正仁教授より、「事故と頚椎・頚髄損傷―発生メカニズムを考える」の演題名で、興味深い発表を頂きました。

近年の乗用車は、シートベルトとエアーバックが進歩したため時速40kmで壁に衝突しても、軽症ですむという実験結果を示されました。

しかし、同様な衝撃の事故であっても、死亡事故につながることがあり得ます。

一杉先生が提示されたのは、居眠り運転での事故でした。無防備に衝突したため、防御姿勢が取れなかったことが一因かなと思っています。

以前より視覚の情報から防御姿勢を取ることは、ケガの重症化予防に重要と考えていました。

「ジェットコースターに乗っても良いか?」

という質問を良く頂きますが、その際には

「しっかり視覚を働かせて、急降下の時にしっかり防御姿勢を取るようにすると良いと思う。」

と答えています。

一方、不意の衝撃はダメージにつながる可能性が高いと思います。ボクシングでも見えないパンチは効くと耳にします。

後方からの追突も不意の衝撃をもらうので、ダメージもあるのではと考えながら拝聴させて頂きました。