脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

脳表ヘモジデリン沈着症

脳表ヘモジデリン沈着症

日本脳脊髄液漏出症学会ワークショップ2026

https://js-csfl.main.jp/study.html

「脳脊髄液漏出症の遺残は平均19年後に脳表ヘモジデリン沈着症を発症し得る」という発表がありました。

脳脊髄液漏出症による硬膜外髄液貯留が遺残していると、長期の経過で脳表ヘモジデリン沈着症を発症することがあります。その発生率は50%程度とも報告されています。

問題は、脳脊髄液漏出症を発症したにもかかわらず、自然治癒して、ほとんど症状なく経過するケースがあることです。

東京科学大学の報告では、脳表ヘモジデリン沈着症発症のうち、約60%に明らかな起立性頭痛歴を認めたとのことです。

ただし、この時点で脳脊髄液漏出症もしくは低髄液圧症と診断されているのは少数でした。起立性頭痛発症時には、適切に診断されずに自然に治癒した症例もあるのではと推察しています。

脳表ヘモジデリン沈着症は緩徐に進行する疾患です。ヘモジデリン沈着の初期は無症状で、この時期に適切な治療が施されれば症状発現を未然に防げます。

しかし脳表ヘモジデリン沈着症が進行すると難聴や歩行障害、認知症を伴い、現状の医療では不可逆です。

明らかな起立性頭痛歴のある方は、脊髄MRIによる硬膜外髄液貯留の有無を精査することをお薦めします。

またブラッドパッチを施行している症例は、発生頻度が低いですが、0ではないようなので、定期的に画像経過観察が必要と考えています。

髄液漏出とへモジデリン沈着 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一