プラス1年
- 2020.07.26
- スポーツ
7月24日、スポーツの日
本来なら東京オリンピックが開催されていました。
大変な状況の中、池江璃花子さんのメッセージに、感動を頂きました。
https://www.nikkansports.com/sports/news/202007230000940.html
大変な時、スポーツやエンターテイメントは大きな力、希望、夢を与えてくれます。
あと1年後のオリンピックに向け、力を合わせて,素敵な世界になることを切に祈ります。
<メッセージ全文>
池江璃花子です。
今日は、1人のアスリートとして、そして1人の人間として、少しお話しさせてください。
本当なら、明日の今ごろ、この国立競技場ではTOKYO 2020の開会式が華やかに行われているはずでした。
私も、この大会に出るのが夢でした。
オリンピックやパラリンピックはアスリートにとって、特別なものです。
その大きな目標が目の前から、突然消えてしまったことは、アスリートたちにとって、言葉にできないほどの喪失感だったと思います。
私も、白血病という大きな病気をしたから、よくわかります。
思っていた未来が、一夜にして、別世界のように変わる。それは、とてもキツい経験でした。
そんな中でも、救いになったのはお医者さん、看護婦さんなど、たくさんの医療従事者の方に、支えていただいたことです。
身近で見ていて、いかに大変なお仕事をされているのか、実感しました。
しかも今は、コロナという新たな敵とも戦っている。
本当に感謝しかありません。ありがとうございます。
2020年という、特別な年を経験したことで、スポーツが、決してアスリートだけでできるものではない、ということを学びました。
さまざまな人の支えの上に、スポーツは存在する。本当に、そう思います。
今から、1年後。
オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います。
今は、一喜一憂することも多い毎日ですが、一日でも早く、平和な日常が戻ってきてほしいと、心から願っています。
スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。
私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だって、そうです。
練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。
TOKYO 2020。
今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく「プラス1」と考える。
それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。
もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声をあることもよくわかります。
ただ、一方で思うのは、逆境からはい上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。
希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。
私の場合、もう1度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。
世界中のアスリートと、アスリートから勇気をもらっているすべての人のために。
1年後の今日、この場所で、希望の炎が、輝いていてほしいと思います。
競泳選手
池江璃花子
本日はありがとうございました。
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